ドーパミンとオキシトシン

サムソン高橋:(股間を広げて飛びかかり)淫獣アターック!

 

ポンチョ佐藤:(無言で股間に蹴りを入れる)

 

高:(股間を押さえてのた打ち回る)

 

P:どうしました? 春も近いし、また持病の発情期の発作ですか?

 

高:…貴女は見なかったの? バンクーバーオリンピックの女子モーグル。一か八かの弾丸滑降で華々しく散った里谷多英の素晴らしいファイトにコサック・エアーで敬意を表したのよ。無難な滑りで4位入賞という上村愛子の面白みのないこぢんまりっぷりとは大違い! さすが、ギロッポンのクラブのVIPルームで外人とファックしたと言われる女はアスリート根性のレベルが高いわよ。だいたい愛子ったら、ルックスが良くてアスリートとしても優等生で同じスキーヤーでイケメンの夫がいるなんて、イケてるくせに仕事もちゃんとして無自覚に色気振りまいてるのにいざとなると「いや、大切な相方いるんで~」なんて言ってるゲイをホウフツとさせて、むかつくったらありゃしない!

 

P:女にまで「ルックスが良くて無職じゃない」ってだけで難癖つけるのは、醜いからやめましょうね。そういや、こないだ雑誌で面白い記事読んだんですよ。ほら、最近トップアスリートのセックススキャンダルがありましたよね。

 

高:ああ、佐良直美とキャッシーね。

 

P:最近でもないし、アスリートでもないですから。タイガー・ウッズセックス依存症ですよ。

 

高:クロマティに似てる人だっけ?

 

P:(無視して)タイガー・ウッズだけじゃなくスポーツ選手にセックス依存症が多いという記事で、それは、脳の働きに起因するものなんですって。運動負荷によるストレスがかかると、ドーパミンという神経伝達物質が過剰分泌されるらしくて。ドーパミンって聞いたことあるでしょ?

 

高:高田シャーミンならなんとか記憶にあるわ…。

 

P:(無視して)例えば覚醒剤ドーパミンを大量に発生させる薬だし、躁鬱の躁状態ドーパミンが過剰な状態なんです。人の快楽に深く関わってる物質で、不特定多数との性行動も促進されてしまうんです。ここまでは良く知られてる話なんですが、それとは別にオキシトシンという神経伝達物質もあって、こちらは人と人とを深く関わらせる絆を作るホルモンらしいんです。好きな人と抱き合ったりセックスするとオキシトシンが生成されるんですが、同じ人と繰り返し抱き合うほど分泌されるんですって。

 

高:つまんなさそうなホルモンね。

 

P:だからそんなこと言う人はドーパミン体質なんですよ。面白いのが、ドーパミンが過剰だと、オキシトシンが阻害・抑制されてしまうんですって。だから、性的に奔放な人は次から次へと手を出すけど飽きちゃって、結局深い絆が作れないという。

 

高:なるほど。逆に考えると上村愛子が今ひとつはじけられなかったのは、イケメン旦那とつがっちゃったからなのね。クラブで夫以外の男とファックするくらいの気概があればメダル圏内だったはず…。ソチに向けて愛子の課題と対策は見つかったわ! 私、JOCに連絡してみる!

 

P:単に変質者からのいたずら電話だと思われるから、止めてください。

 

高:ゲイにも上村タイプと里谷タイプっているわよね。ルックス良くてまじめでパートナーがちゃんといてというのと、多少ブスだけど色気があって性的に奔放だってのと。

 

P:まあ、里谷タイプが圧倒的に多いですけどね…。

 

高:それってオキシトシンドーパミンどちらが優勢か、言ってみれば「オキ派」vs「ドパ派」という対立構造でもあったのね。そこで思い出したんだけど、以前この対談でも話題に上げた某エロ系ゲイSNSをこないだ他人様の携帯を借りて初めて覗いたのよ。びっくりしたわよ。世の中のホモどもはこんなにもセックスきちがいばかりなのかと。リトル・タイガー・ウッズだらけよ。「全盛期に比べたら盛り下がってる」とかって言われたんだけど、あれで盛り下がってるのなら、最盛期はいったいどんなだったのか想像するだに恐ろしい!

 

P:ドパ派の高橋さんにそんな感想を抱かせるとは、具体的に何を見たんですか?

 

高:以前片思いしてた人を発見したんでドキドキしながら覗いてみたら、昼間の公園で股間フルスロットルで全裸露出してる画像がどーんと出てきて。「100枚以上撮影したんだけど、他は激しすぎて公開できません」とかってキャプション付だったわね…。

 

P:他の99枚はどんなんだったか気になりますね。

 

高:その方に対してはどちらかというとオキシトシンの方を分泌させてたんだけど、向こうのあまりのドーパミン全開ぷりに、興奮する以前に心が折れたわよ。ホモっていくらでもドーパミン過剰になってしまう環境なわけよ。例えばノンケの男だってたくさんの女とヤリまくりたいってのは本音じゃない? でも、タイガー・ウッズレベルじゃないとそういった欲望はかなえられないわけ。だから、たいていの普通の男は自分と見合った女とつがって「つまんないなー、もっといろいろやりたいなー」と思いながらもその平凡な相手と平凡なセックスをやり続けてるうちにオキシトシンが分泌されて落ち着くわけよ。だけどホモはセックスに関しては手軽だから、オキシトシンが生成される前に飽きちゃって次から次へとヤリまくってドパっちゃうと。

 

P:そういや昔、パートナー以外とセックスしないって人に「飽きません?」って質問したら、「飽きてからが面白い。それが本当のセックスなんだ」なんて回答が返ってきて「うわ、嘘くせー」なんて思ってたけど、ドーパミンよりオキシトシンが優勢になってからが楽しいってことなのかも。たいていのホモはドパどまりで、なかなかオキの領域まで辿りつけてないですからね。

 

高:つまんない相手でもガマンしてやり続けたら、新しい快楽が見つかるかもしれないのね。ただ、私たちにはそもそもそのつまんない相手さえいないんだけど…。

 

P:それじゃ、あったかくなったとこだし、つまんない相手探しに、掲示板で集合かけて公園の便所で全裸露出してきます!

 

高:私もつまんない相手探して、台東区のサウナをハシゴしてみるわ!